(Source:OC3D)
Intelは2019年の決算報告において、10nmプロセスの「Ice Lake」を今年6月に出荷開始するとともに、2020年に新たに「Tiger Lake」をクライアント向け製品として投入することを明らかにしました。
現時点では2020年の「Tiger Lake」はMobile向けのProcessorと考えられ、スライド資料にも「mobility redefined」と記されています。おそらくは、ノートPCやMobileデバイス向けにU seriesやY seriesとして登場することになると思われます。
そして、「Accelerating the Page of Inovation」というスライドで現行世代の「Whiskey Lake」と「Tiger Lake」の性能比較が行われている。「Whiskey Lake」はTDP15WでExecution Unitは24基。一方、「Tiger Lake」はTDP25WでExecution Unitは96である。この比較において「Tiger Lake」は4倍のGraphics性能を有すると説明されています。また同じスライドにある「薄型フォームファクタにおいて2倍のProdutivity」の項目はTDP5Wの「Amver Lake」とTDP9Wの「Tiger Lake」で行われています。
スライド自体は5月上旬の決算報告の場で明らかにされたものです。今回取り上げるのは別のスライドである。現行製品と将来の製品でどれほど性能が向上するかを説明したスライドであるが、初出時は軽く触れるだけにとどめてしまった。しかし、その注釈にいくつか興味深いことが描かれています。まず2番目となる4倍のGraphics Performanceの注釈である。この比較は15Wの「Whiskey Lake (WHL)」と25Wの「Tiger Lake (TGL)」で行われているとある。OC3Dでは「Tiger Lake」のExecution Unitの数を96基としているが、このスライドそのものからはExecution Unitの数を読み取ることはできません。性能4倍ゆえにExecution unitの数が4倍=24×4=96と推測したのかもしれません。「Tiger Lake」のiGPUは新しいXeアーキテクチャとなるので、アーキテクチャ改良による性能向上分も加味する必要がある)。次に4番目の薄型フォームファクタにおける2倍のProductivityである。この比較はTDP5Wの「Amber Lake 2+2 (AML 2+2)」とTDP9Wの「Tiger Lake 4+2 (TGL 4+2)」で行われています。「Amber Lake」の後継も「Tiger Lake」では4コアとなるであろうことが推測できるが、Y seriesにおけるTDP5W→TDP9Wの増加はU seriesの15W→25W以上に気にかかる点である(Configurable TDPでなんとかしてしまうのかもしれないが)。
5番目の4倍のエンコード性能も「Whiskey Lake」と「Tiger Lake」の比較であるが、3番目の2.5~3倍のAI PerformanceはTDP15Wの「Whiskey Lake」とTDP15Wの「Ice Lake」の比較となっています。
TDPが揃ってなかったり、そもそもコアも揃っていなかったりとよく見ると疑問符がついてしまうスライドであるが、「Tiger Lake-U」にTDP25Wの、「Tiger Lake-Y(?)」にTDP9Wに相当する製品があり、後者は4コアである、という情報は興味深いものです。