AMDが第2世代Ryzen Threadripperの拡充をします。32コアのRyzen Threadripper 2990WXと16コアのRyzen Threadripper 2950Xがこれまでのラインナップでした。残りの2970WXと2920Xが10月29日に販売開始れることになりました。この2モデルの登場により、予定されていた第2世代Ryzen Threadripperのラインナップが完成することになります。
Ryzen Threadrippre 2990WX, 2970WXに対して新たにDynamic Locl Modeが追加されます。Dynamic Local ModeはRyzen Threadripper WX seriesのようなMany-core processorがシステムで最も重要度の高いアプリケーションスレッドをLocal memory accessが可能なコアで実行できるよう自動的に割り振るものです。Ryzen Threadripper WX seriesでは4つのダイのうち、メモリコントローラが有効化されているのは2ダイとなるため、メモリアクセスにおいて非対称性が生じます(2ダイのみを使用しているX seriesでは起きません)。少ないスレッドの場合はメモリコントローラが有効なダイで実行した方が性能は伸びます。
Dynamic Local ModeについてAMDのRobert Hallock氏が下記のように説明してます。
Dynamic Local ModeはWindows 10のバックグラウンドサービスとして実装され、システムのスレッドがどれほどCPUを使用しているかを計測します。CPU使用の高いスレッドから順位付けし、上位のスレッドを自動的にDirect memory accessが可能なCPUコアに割り振り、(Direct memory accessが可能な)CPUコアがタスクにより使用されきったならば、さらなるスレッドは次にしようなCPUコアで実行される。このプロセスはサービスが実行されている限り持続的に行われ、最もCPU要求の高いスレッドが常にlocal memoryと接続されたコアを優先的に使用できるようにしています。
Tom’s HardwareにRyzen Threadripper 2990WXを用いてDynamic Local Modeの有無による性能の差を比較したグラフが掲載されており、Dynamic Local Modeを有効にすることにより10~47%の性能向上を見せていました。