(Source:WCCF Tech)
WCCF Techに、「Ice Lake」や「Comet Lake」そして「Zen 2」を含むCPU-Z Single-thread benchmarkのスコアの一覧が掲載されていました。元ネタは中国語のForumのようです。当該ページは消されたのか確認は出来ませんでした。
そしてその一覧であるが、周波数もコア数もバラバラなのでどこまで単純比較していいものかが悩ましいものです。純粋にSingle-thread性能が反映していると比較すると、IPCの高い順に各アーキテクチャを並べると以下の通りになると推測されます。
SunnyCove>Zen 2>Comet Lake=Skylake (Kaby Lake, Coffee Lake)
適当に数字をでっち上げて作り出しただけの代物といく可能性は大いにありますので、話半分に捉えた方がいいのではと思います。注目されるのは「SunnyCove」が3GHz中盤の低い周波数ながら従来の「Skylake」系列(Kaby LakeやCoffee Lakeも以下Skylake系列と総称)の5.00GHzと同等以上であること、「Zen 2」も4GHz中盤ながら「Skylake」系列の5.00GHzと同等以上であること、そして「Comet Lake ES 8コア8スレッド」の5.20GHzが概ね「Coffee Lake 8コア8スレッド」の5.30GHzより若干低い程度であることでです。この3点より前述の関係式が推測されまとめると以下のようになります。
- 「Zen 2」は「Zen+」よりIPCが向上し、「Skylake」系列を超えている。
- 「SunnyCove」のIPCも劇的に向上し、「Zen 2」以上と推測される。
- 「Commet Lake」のIPCは従来の「Skylake」系列とほぼ変化なし
※ただし、「SunnyCove」のスコア向上はAVX-512命令の分がある可能性を考慮しなくてはなりません。
Core i7 10510UやCore i5 10210Uが「Commet Lake-U」とされるCPU、Core i7 8565Uが現行の「Whiskey Lake-U」、そしてCore i7 1065G7が「Ice Lake-U」です。
Computex 2019での情報の通り、「Sunny Cove」アーキテクチャを用いる「Ice Lake」ではキャッシュ構成が変更されており、L1 Data cacheが1.5倍の48KBに、L2 cacheが2倍の512KBとなっています。一方、「Comet Lake」は「Whiskey Lake」同様のL1 Data cache = 32KB, L2 cache = 256KBです。CPU識別子も「Whiskey Lake」と「Comet Lake」はともにFamliy 6 Model 142で、前者がStepping 11、後者がStepping 12とSteppingのみの違いであるのに対し、「Ice Lake」はFamly 6 Model 126 Stepping 5とModelから異なります。
「Ice Lake」が新アーキテクチャの「SunnyCove」を用いるのは公式発表の通りですが、「Commet Lake」のCPUアーキテクチャがどうなるのかは未だ伏せられたままです。しかし、現時点で出ている情報を見ると、「Commet Lake」のCPUアーキテクチャは「Coffee Lake」や「Whiskey Lake」と同様のもので「Skylake」系列の可能性が高いのです。「Ice LakeはMobile向けの一部とサーバー向けの一部に限られると言われていて、2020年中は「Skylake」系列のアーキテクチャがIntelを支えることになりそうです。