AMDがCES 2019で明らかにしたZen 2世代のRyzen―「Matisse」の新しいCPU設計について大きな疑問が残りました。「Matisse」はI/Oダイに加え、2つのchipletを載せられるのではないかと言うことです。そして載せられそうな2つのchipletのうち、1つをGPUとしてAPUを作り出すことが出来るのではないのかということ。その可能性についてAMDに問い回答がありました。「「Matisse」でAPUの計画はない」というものでした。
「Matisse」はRyzen 3000 series CPUとしてCES 2019で明らかにされた8コアのSocketAM4対応デスクトップ向けCPUである。2ダイの構成となっており、14nmで122.6mm2のI/Oダイと7nmで80.8mm2のCPUダイで構成される。I/Oダイが左側中央に配置されているのに対し、CPUダイは右上に寄せられて配置しており、右下に意味深なスペースがあると各所で話題となっていました。もう1つCPU chipletを搭載して16コアに出来そうだという予想が多数出現しています。実際にCPU chipletを2つに増やした合成画像も出回っています。GPUを載せてAPUも作れそうだという憶測も16コアのネタよりは少ないものの散見されています。
回答にあるように、AMDの計画においては、「Matisse」でCPU+GPU+I/OダイとしてAPUを構成する計画はないということです。今までもそうであったが、「Zen 2世代」においてもコンシューマ向け製品の展開はまずCPUが先行し、APUはそれよりも後に登場すると見込まれ、APUはCPUと異なる設計となります。APUにはMobileへの対応とより低いコストが求められるとのこと。故に、異なる市場をサポートすべく、異なる設計にすることが決定されたということです。ですが、あくまでも「Matisse」の世代においてAPUのchiplet設計が否定されただけで、将来的にAPUがchiplet設計にならないとは一言も言っていないのです。(言い訳めいてはいる)
APUは、「Matisse」に先立ち、「Picasso」―Ryzen mobile 3000 series APUが発表されています。12nmの「Zen+」世代の製品になります、しばらくはこれがAPU製品として展開されるようです。
APUの話題に加え、AMDは「Matisse」のTDPについて言及しています。AMDにおけるTDPの定義はCPUクーラーに要求される冷却能力であります。「Matisse」は現行のRyzen 2000 seriesと同等の範囲のTDPに収められるようです。「E」であればTDP35W、最上位の「X」であれば、TDP105Wが想定されます。
過去に噂としてあったTDP140W等という製品は考えていないと言うことのようです。 しかし、現行世代と同等のTDPであることはCES 2019でも強調された現行のSocketAM4プラットフォームとの互換性を有するという話にも合致することになります。