第39回Nasdaq投資家向けカンファレンスで、IntelのMurthy Renduchintala氏が同社の10nmプロセスの計画の進行と、離陸した7nmプロセスの計画について話をしました。
まず10nmプロセス
時期については来年2019年に大量生産に入ると述べている。これ自体はいろいろな意味でそれほど意外性のある話でもない。より興味深いのは10nmプロセスが目指すスケーリングの話で、10nmプロセスのスケーリングの目標は2014年に計画していたものと変わらず、14nmプロセス比で2.7倍の密度を目指すと述べている。
Intel 10nmプロセスについては、イールドの改善のため、スケーリングの度合いを緩めるといった話が出ていたが、今回のMurthy Renduchintala氏の話はこれを真っ向から否定するものとなる。
続いて7nmプロセス
Renduchintala氏はIntelの7nmプロセスの計画についても明らかにした。同氏はIntelの7nmプロセスは「別のチームと多くの部分で別個のリソース」で開発が行われているとした上で、「10nmプロセスの経験から多くを学び、トランジスタの密度、電力、性能、そして時期・スケジュールについてそれぞれ定義に定義を重ね、それぞれ異なった最適化点を見いだした」と述べている。
このあたりは少し前に出てき話とそれほど変わらない。興味深いのは10nmに続きスケーリングの話である。
Renduchintala氏は、Intelの7nmプロセスのスケーリングはかつて伝統的だった2倍に近いものに戻している、と付け加えている。つまり、Intelの7nmは10nmのスケーリングよりもおとなしいものになる可能性を示している。しかし一方で、Renduchintala氏は7nmプロセスがIntelで初めてEUVを導入するプロセスになるとも述べた。
14nmと10nmはHyperscalingと称して他の世代および他のファウンドリよりも高いスケーリングが目標とされ、実際この記事の前半でも14nm→10nmでは2.7倍のスケーリングを目指していると書かれている。しかし10nm→7nmではHyperscalingのようなより高いスケーリングは目指さず、従来通りの2倍程度のスケーリングを目標としているという。スケーリングだけでみれば10nmよりもおとなしいように見える一方、EUV導入という大きな変革もあり、これのために他のリスクの高い変更を回避して堅実な路線を目指したともとれる。それでもこれまで通りのIntelであれば7nmプロセスはその前の10nmの欠点をことごとく潰してくるはずであり、7nmプロセスはより期待できるものになるかもしれない。